第11講 不正競争防止法(追補修正 2006年9月) PDF
細川 学(2006年09月)
注意
- 赤字は著者の注釈。
- 青色は平成16年及び17年施行の改正法。
- 緑字は平成19年1月施行の改正法。(営業秘密関係の罰則を強化)
- 斜体文字部分は平成15年5月23日法律第46号による改正
- 原条文を参照のこと。電子政府e-Gov「不正競争防止法」
PDF版は「不当競争防止法」の「注釈法文」
不当競争防止法
第Ⅰ条(目的)
1.この法律は、事業者間の公平な競争及びこれに関する国際的な約束の的確な実施を確保するために、不正競争の防止及び不正競争に係る措置等を講じ、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
第2条(定義)
1.この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。
一. 他人の商品表示(人の業務に係る氏名、商号、商標、標章、商品の容器若しくは包装その他の商品叉は営業を表示するものをいう。以下同じ)として需要者間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示を使用し、叉はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回路を通じて提供して、他人の商品叉は営業と混同を生じさせる行為
二. 自己の商品等表示として他人の著名な商品等表示と同一若しくは類似のものを使用し、叉はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回路を通じて提供する行為
三. 他人の商品(最初に販売した日から起算して3年を経過したものを除く)の形態(当該他人の商品と同種商品(同種商品がない場合にあっては、当該他人との商品とその機能及び効果が同一叉は類似の商品)が通常有する形態を除く)を模倣した商品を譲渡し、引渡し、譲渡若しくは貸渡しのために展示し、輸出し、若しくは輸入する行為
四. 窃取、詐欺、脅迫その他の不正の手段により営業秘密を取得する行為(以下「不正取得行為」という)叉は不正取得行為により取得した営業秘密を使用し若しくは開示する行為(秘密を保持しつつ特定の者に示すことを含む。以下同じ)
五. その営業秘密について不正取得行為が介在することを知って、若しくは重大な過失により知らないで営業秘密を取得し、叉はその営業秘密を使用し、若しくは開示する行為
六. その取得した後にその営業秘密について不正取得行為が介在することを知って、若しくは重大な過失により知らないで営業秘密を取得し、叉はその営業秘密を使用し、若しくは開示する行為
七. 営業秘密を保有する事業者(以下「事業者」という)からその営業秘密を示された場合において、不正の競業その他の不正の利益を得る目的で、叉はその所有者に損害を加える目的で、その営業秘密を使用し、叉は開示する行為
八. その営業秘密について不正開示行為(前号に規定する場合において前号に規定する目的でその営業秘密を開示する行為叉は秘密を守る法律上の義務に違反してその営業秘密を開示する行為をいう。以下同じ)であること若しくはその営業秘密について不正開示行為が介在したことを知って、若しくは重大な過失により知らないで営業秘密を取得し、叉はその取得した営業秘密を使用し、若しくは開示する行為
九. その取得をした後にその営業秘密について不正開示行為があったこと若しくはその営業秘密について不正開示行為が介在したことを知って、若しくは重大な過失により知らないでその取得した営業秘密を使用し、若しくは開示する行為
十. 営業上用いられる技術的制約手段(他人が特定の者以外の者に影像若しくは音の視聴若しくはプログラムの実行叉は影像、音若しくはプログラムの記録をさせないために用いているものを除く)により制約されている影像若しくは音の視聴若しくはプログラムの実行叉は影像、音若しくはプログラムの記録を当該技術的制約手段の効果を妨げることにより可能とする機能のみを有する装置(当該装置を組み込んだ機器を含む)若しくは当該機能を有するプログラム(当該プログラムが他のプログラムと他のプログラムと組み合わされたものを含む)を記録した記録媒体若しくは記録した機器を譲渡し、引渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、若しくは輸入し、叉は当該機能のみを有するプログラムを、電気通信回路を通じて提供する行為
十一. 他人が特定の者以外の者に影像若しくは音の視聴若しくはプログラムの実行叉は影像、音若しくはプログラムの記録をさせないために営業上用いている技術的制御手段により制約されている影像若しくは音の視聴若しくはプログラムの実行叉は影像、音若しくはプログラムの記録を当該技術的制約手段の効果を妨げることを可能とする機能のみを有する機器(当該機器を組み込んだ機器を含む) 若しくは当該機能を有するプログラム(当該プログラムが他のプログラムと他のプログラムと組み合わされたものを含む)を記録した記録媒体若しくは記録した機器を譲渡し、引渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、若しくは輸入し、叉は当該機能のみを有するプログラムを、電気通信回路を通じて提供する行為
十二. 商品若しくは役務若しくはその広告若しくはその取引に用いられる書類若しくは通信にその商品の原産地、品質、内容、製造方法、用途若しくは数量について誤認させるような表示をし、叉はその表示をしたものを譲渡し、引渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回路を通じて提供し、若しくはその表示をして役務を提供する行為
十三. 商品若しくは役務若しくはその広告若しくは取引に用いる書類若しくは通信にその商品の原産地、品質、内容、製造方法、用途若しくは数量若しくはその役務の質、内容、用途若しくは数量について誤認させるような表示をし、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回路を通じて提供し、若しくはその表示をして役務を提供する行為
十四. 競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、叉は流布する行為
十五. パリ条約(商標法第4条第1項第2号に規定するパリ条約をいう。)の同盟国、世界貿易機関の加盟国叉は商標法条約の締結国において商標に関する権利(商標権に相当する権利に限る。以下この号において単に「権利」という。)を有する者の代理人若しくはその行為の日前1年以内に代理人若しくは代表者であった者が、正統な理由がないのに、その権利を有する者の承諾を得ないでその権利に係る商標と同一叉は類似の商標をその権利に係る商品叉は役務に使用し、叉は当該商標を使用したその権利に係る商標と同一若しくは類似の商品を譲渡し、引渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回路を通じて提供し、若しくは当該商標を使用してそのその権利に係る役務と同一若しくは類似の役務を提供する行為
2.法律において「商標」とは、商標法第2条第1項の商標をいう。
3.この法律において「標章」とは、商標法第2条第1項の商標をいう。
4.この法律において「営業秘密」とは、秘密として管理さている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上叉は営業上の情報であって、公然知られていないものをいう。
5.この法律において「技術的制限手段」とは、電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によって認識することができない方法をいう)により影像若しくは音の視聴若しくはプログラムの実行叉は影像、音若しくはプログラムの記録を制限する手段であって、視聴等機器(影像若しくは音の視聴若しくはプログラムの実行叉は影像、音若しくはプログラムの記録のために用いられる機器をいう。以下同じ)が特定の反応をする信号を影像、音若しくはプログラムとともに記録媒体に記録し、若しくは送信する方式叉は視聴等機器が特定の変換を必要とするように影像、音若しくはプログラムを変換して記録媒体に記録し、若しくは送信する方式によるものをいう。
6.この法律において「プログラム」とは、電子計算機に対する命令であって、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。
7.この法律において「ドメイン名」とは、インターネットにおいて、個々の電子計算機を識別するために割り当てられる番号、記号又は文字の組合せに対応する文字、番号、記号その他の符号又はこれらの結合をいう。
8.この法律において「物」には、プログラムを含むものとする。