時空の漂白 34 PDF (2010年12月6日)
広島便り 2010里山を歩こう(4)身近な自然観察 高橋 滋
佐伯の紅シジミ 5月5日(水)
佐伯の花上の小屋は、ここ3日間、最高気温が25度を超える初夏日和である。川筋の林地の下刈りをご近所さんがやったので、森が明るくなった。
暖かさに誘われて、多くの蝶が飛来した。
ベニシジミ(紅小灰蝶)。数が多い。よく見ると深い色合いをしている。
サカハチチョウ(逆八蝶)。比較的珍しい。街中ではほとんど目にしない。ベニシジミと同じく、くっきりした色合いである。
ツマキチョウ(褄黄蝶)。写真に撮りたいと思っていた。モンシロチョウより一回り小さく、羽根の先がとがっていて、その部分の黄色がキチョウの黄色より少し橙色に近い。
モンキチョウ(紋黄蝶)。これも普段ほとんど見かけない蝶である。モンシロチョウに似ているが(飛んでいる時は分からない)、羽根のまわりにピンク色がかかっている。
トンボ(蜻蛉)も飛び始める。トンボの名前はよく分からない。これは「ミヤマカワトンボ」(深山河蜻蛉)のようだ。
今年の花の新顔はアマ(亜麻)。ベニバナアマ(紅花亜麻)の名で種を購入したが、コモンフラックスという原種に近いもののようだ。リンシードオイル(亜麻仁油)を採ったり、織物の材料(リネン)になる有用植物である。欧州では牧場などに自生するらしい。ひょろひょろと伸びて、どうなるかと思ったが、頂上に可憐な花が咲いた。
ワスレナグサ(忘れな草)。この青もなかなかの色合いである。一つ一つの花は小さい。5〜9ミリ径の小さい五弁の花である。