時空の漂白 39  PDF (2010年12月14日) 

現代版 幸福考「低迷期こそ大きく考える」 原 恭三 

「How do you feel today ?」

  「調子はどう?」と聞かれて

「I am tired」
  「疲れた」

「I have a headache」
  「頭が痛いよ」、

「I wish it were Saturday」
  「土曜日だといいんだがね」

「I don’t feel so good」
 「あんまり良くないね」

などと答えていると本当に具合が悪くなってしまう。

この時

「Just wonderful!, thanks, and you ?」
 「最高だよ、君はどう?」

「Great」
 「すごく良いよ」とか

「Fine」
 「問題ないよ」」

と答えると、自分も相手も気分が良くなる。元ジョージア州立大学のシュワルツ博士は著書の中でこう説いている。

初版1959年で今も売れ続け、世界中で翻訳本を含め約400万部も売れている「The Magic of Thinking, BIG」というタイトルの本の中でこう説いている。この翻訳本が日本では「心の力の魔術」(実務教育出版)として販売されている。

シュワルツ博士の本は示唆に富んでいる。以下、そのポイントである。

アメリカのある調査によれば、他人よりも多くの実績を上げる人の成功の秘訣は、場所でも、教育レベルでも、体の頑強さでもなく、大きな違いは、考えることが他人よりも5倍大きいことだという。

成功は幸せのサイズ、満足度のサイズ、考えるサイズによって大きく左右される。大抵の大人は、小さく考え、大きく考えないことが問題である。

しかし、誰もが成功できるものではない。成功への道は狭く混雑し、待たされるのが普通である。偉大な人はいつも世界を考え、いつも気持ちは希望に満ち、地獄の中にいても天国を作ることができる。

人の運命はその意志できまる。夢を忘れないこと、家庭作りを諦めないこと、子供のことを忘れないこと、より良い成果の追求を忘れないこと、つまり、人が成功するかどうか、幸福になれるかどうかは、その人の考える大きさによって決まる。人は自分で自分の運命をコントロールできるのである。

ポイントは大きく考えること、それがマジックを生む。ここには理論はない。成功を願うならば、希望を満たすために努力する。そうすれば、いつかは手元に届く。 

では、どうしたら大きく考えられるだろうか?

著者は、言葉や文章で考えるのではなく、まずは絵や心象(Mind picture)で考えるべきだという。その方が創造的な発想が生まれるという。そして、例えば、大きな問題に直面したというより大きなチャレンジに直面したというように考える。すると、面白く何かワクワクしてくる。

大きな出費を余儀なくされるというより大きな投資をしなければならないというように考える。すると、より大きなリターンを描けるという。大きく考えることは、自分にも他人にも創造的で前向きで楽観的に考えて行動する勇気をくれる。

大きく考える秘訣
○Believe You Can Success and You Will
○Cure Yourself of the Fear of Failure
○Build Confidence and Destroy fear
○You Are What You Think You Are
○Make Your Attitudes Your Allies
○Learn How to Think Positively
○Turn Defeat into Victory
○Use Goals to Help You Grow
○Think Like a Leader

 

○駄目だ、出し抜かれてしまった。
   まだ出し抜かれてはいない。これは新局面だ。もう一度やろう。

○ビジネスは失敗だ。もう終わりだ。
   失敗したが、これは自分の責任だ。もう一度やり直そう。

○75%も抑えられてしまった。
 まだ25%は確保できている。まだ十分やれる。

また、大きく考えると同時に、小さなことにクヨクヨしないことである。争いごとの99%は些細なこと、理不尽なことである。帰宅して家での食事中、仕事で疲れたからと言って、食事にあたって不平不満を言うようなものである。

不平不満を言う前に、それが妥当なことなのかどうか、重要なことなのかどうかを自問自答する。そうすれば、大半の場合は争いが避けられるだろう。

小さいことは後ろに回し、日常茶飯事のつまらない罠に落ち込まず、大きく考えるように努めることである。

100年前頃、自動車が馬車に代わる手頃な乗り物になると誰が考えただろうか?

100年前というと、日露戦争(明治37〜38年:1904〜1905年)の頃で、当時の主力交通機関はまだ馬車であった。速く移動したい、空を飛びたいなどと思わない限り、自動車も飛行機も誕生・発展しなかっただろう。

「20世紀の予言」

ちなみに報知新聞は電気通信、運輸、軍事、医療など23項目について、20世紀にどうなるかという「二十世紀の予言」を1901年(明治34年)1月2日の同紙に

その内容は報知新聞社ホームページに掲載されている。

今から100年以上も前、来月1月2日には110年前にもなる昔の予言である。その概要は以下の通り。

○無線電信電話
マルコニー発明の無線電信が進歩し、無線電話でロンドンの友人と東京で自由に話せる。

○遠距離写真
欧州の戦雲を東京の新聞記者がカラー写真で直ちに見られる。

○野獣滅亡
アフリカの野獣は滅亡し、都会の博物館でしか見られなくなる。

○サハラ砂漠
サハラ砂漠は肥沃平野し、そこで中国・日本の文明は発達する。

○7日間世界一周
80日間を要したことが20世紀末には7日間で足り、男女を問わず1回以上世界漫遊する。

○空中軍艦空中砲台
 ツッペリン式飛行船が発達し、空中に砲台・軍艦が漂う。

○蚊・蚤の滅亡
衛生事業の進歩で蚊・蚤の類は順次滅亡する。

○暑さ寒さ知らず
機器で調整した空気送出が実現し、これでアフリカの発展も進む。

○植物と電気
電気で野菜栽培を促進、空豆はミカン大となり、緑や黒色の花のキク・牡丹・バラが誕生し、熱帯の植物がグリーンランドで育つ。

○人声十里に達す
伝声器の改良で10里を隔てた男女が話せるようになる。

○写真電話
対話者の肖像が電話口に映る。

○買物便法
写真電話で遠距離の物品を鑑定しながら売買契約、品物は地中鉄管を経由し瞬時に入手する。

○電気の世界
燃料は薪や炭や石炭に代わり電気となる。

○鉄道速力
機関車が発達。客室は冷暖房完備。速度は時速150マイル(300キロ)以上となり、東京神戸間は2時間、ニューヨーク・サンフランシスコ間は一昼夜で走向する。石炭は使用しない。

○市街鉄道
馬車鉄道などは老人の昔語り。電気車・圧搾空気車が大幅に進歩。車輪はゴム製。街路上ではなくて空中・地中を走向する。

○鉄道連絡
鉄道が地中を貫通して5大陸間を自由に通行する。

○暴風防止
1ヶ月前に予測するし、大砲で台風を崩壊。地震には耐震建築で対応できる。

○人体
運動と外科手術で人の身長は180センチ以上となる。

○医術進歩
薬服用の代わりに電気針による無痛薬液注射。顕微鏡とX線装置による病源摘発と治療。内科領域の8〜9割は外科領域に変わる。

○自動車世界
馬・馬車は自転車・自動車に代わられ、馬は少数の好奇者が飼育するだけになる。

○人と動物の会話
小学校に動物語科。犬・猫・猿と自由に会話できるようになり、下男下女の地位は犬に代わられる。

○幼稚園廃止
無教育の人がいなくなり幼稚園が不要。男女とも大学卒業する。

○電気輸送
日本は琵琶湖の水、米国はナイアガラ瀑布の水で発電し、その電気を全国に送電する