時空の漂白 41  PDF (2010年12月20日) 

広島便り 2010里山を歩こう(8)身近な自然観察  高橋 滋 

梅雨の止み間 7月9日(金) 

金曜日に佐伯の花上の小屋に出掛けた。今年の梅雨は、ぼんやりとした曇りや雨の日が続く。それでも止み間に今の時期らしい花が咲く。ネムノキはピンク色が独特で、姿も清楚、好む人が多い。

アジサイ(栽培品)もよく見るとなかなか複雑な形に驚かされる。かつてアジサイは手鞠てまりのように咲く品種が中心だったが、写真のガクアジサイ系やアマチャ系列(山草風)、葉がカシワのような感じのもの、枯れた花も綺麗に残るアナベルなど、現在は多様になっている。

隣家のガーデンにマタタビのような白い葉を付けた野草があり、ラベルを見たらハンゲショウ(半夏生)とあった。半夏生には「半夏はんげという里芋さといも科の生薬しょうやくとなる植物が生える頃」という意味があり、それから季節の移り変わりを的確に掴むに作られた9つの「絶節」の1つで、太陽が夏至点げしてん黄経こうけい90度)から数えて11日目、現在では黄経100度を通過する日、毎年7月2日頃のことを指すようになったと言う。

ハンゲショウという名前の由来は、①この半夏生はんげしょうの頃に花を咲かせる、②葉の片面(表面)だけが白くなることから「半化粧」でとする説がある。葉の片面だけが白くなることからカタシログサ(片白草)とも呼ばれていると言う。

ニイニイゼミを鳴き始め、「盛夏近し」の感がある。端境期はざかいきなのか、蝶は大変少ない。キチョウが飛んで来た。後で図鑑を見たら「キチョウはネムノキを好む」とあった。インターネット上にもキチョウとネムノキを結び付ける写真や記述がいろいろあった。

キチョウの幼虫の食草はネムノキ、ハギ類など。キチョウの羽化とネムノキ。写真は幼虫時代のキチョウ。ネムノキがお気に入り。 ネムノキはキチョウの食草。

浅い色をしたミヤマアカネ(深山茜)もやってきた。いわゆる赤トンボの仲間である。インターネット上では「成虫は体長32〜39ミリ程度。はねの縁紋内側にある褐色の太い帯と、翅脈しみゃくまで色づくのが特色で、他種との判別は容易。胸部側面はほとんど無班である」からはじまっていろいろ書かれていた。

なお、縁紋えんもんとは写真のはねの前縁にある紋である。

はねに太い紋が走るのはミヤマアカのみ、と説明があった。秋になるとここが赤くなる。

 

里山を歩こう   7月16日(金)

先週に続いて今週も金曜日に佐伯の花上の小屋に出掛けた。

小さな花を穂状に沢山付けるブッドレアの灌木が咲いていた。香りと蜜があり、蝶を呼ぶ灌木ということで、バタフライブッシュとも呼ばれているだけあって、まだ梅雨が明けていない空模様なのに、沢山の蝶を呼び寄せている。

写真の写りは今一つだが、ブッドレアの花に留まるアカタテハ(赤立羽)。続いてホソバセセリ、イチモンジセセリ、キマダラセセリなどセセリ蝶の仲間が入れ替わりやって来た。

小さくてすばしこいスジグロチャバネセセリも咲き残りのウツボグサに留まった。

しかし、アゲハ蝶の訪問はゼロだった。クサギの花が咲く頃になると、また増えるかも知れない。

ゼフィルスを待っていたが、ムラサキシジミが来ただけだった。

オカトラノオ 7月19日(日)

野の花が少ない時期である。やや明るいところにまとまって咲くオカトラノオ。茶花としては喜ばれるらしい。

これそのものがリシマキアの名で園芸図鑑に載っているが、この属には姿がずいぶんと異なる種もあるようだ。

ジャノメチョウ

林間を飛ぶ地味なチョウだが、よく見るとなかなかお洒落な班点を持っている。