時空の漂白 45  PDF (2011年1月18日)  

広島便り 2010里山を歩こう(11)
                                          身近な自然観察  高橋 滋   

秋の野の花  10月7日(木)

秋が深まって、林地の下に咲く花が季節を迎えている。ハンショウヅル(半鐘蔓)。 花が凄く大きい。「クレマチスみたいですね」と人に説明していて、後で図鑑を調べたところ学名がクレマチスジャポニカとなっていた。

ミツバコトジソウ(三葉琴柱草)の群落。 薄暗い林の中で、ぱっと明るくなる。こちらも「サルビアのようで」と説明していて、調べたところサルビアニッポニカになっていた。

少しはなれたところに、ツルリンドウ(蔓竜胆)が。あまり目立たないが、よく見るときちんとしている。これにもジャポニカムの学名が。みんな日本の秋を代表する花に見えてきた。

アカタテハ(赤立羽) 10月10日(日)

アカタテハが来た。ヒメアカタテハはかなり頻繁に来るが、アカタテハは少ない。色が濃い。

マンサク(満作) 10月22日(金)

園地のマンサク(植栽品)が花を付けた。狂い咲きなのか、夏の暑さで季節が前倒しになってしまったのか。

クロモジ(黒文字)などもつぼみが大きくなって、咲きそうになっている。
チャノキ(茶の木)の花が咲いている。サザンカ(山茶花)も咲き始める。
チャノキの学名はカメリアシネンシス。サザンカはカメリアササンクアであり、同じ仲間である。

ツリバナ(吊り花) 10月26日(火)

10月のはじめ、小さな木からぶら下がっている五弁の実を見つけた。図鑑で調べて「サワダツ」(沢立)ではないかと見当をつけたが、その後、早めの紅葉が美しく、調べ直して、「ツリバナ」と知った。

周辺を見ると、幼樹が一杯生えている。赤松が枯れて明るくなって、こういう落葉樹が勢いを得ているようだ。クロモジ(黒文字)やハギ(萩)の黄色が里山の裾を明るくしている。

ツルリンドウ(蔓竜胆)の実が赤くなった。ことしはドングリも少ないが、山の木の赤い実もきわめて少ない。貴重ないろどりである。

夕方、自宅で大きな虹が出た。太陽が低いのでアーチがくっきりと見えた。そして、もう一つ、ぼんやりとしたアーチ。アーチが二重にかかっていた。

クリスマス飾り 10月29日(金)

林を整理したら普通とは違うツル(蔓)がたくさん出てきた。一つは葉形から「アオツズラフジ」と推定したが、今度、花をきちんと確かめたい。クリスマス飾りは山に材料がないので、庭のもので作った。