第12講 著作権法(3/3)  PDF

細川 学(2006年09月)

第3話 著作権法に係る国際条約

1.ベルヌ条約

1886年に欧州各国を中心としてベルンで創設された条約である。わが国は明治32年(1899年)に加盟した。著作権の発生に審査も登録も必要としない無方式主義をとった。当初の事務局はB.I.R.P.I.(国際知的財産保護協会)であったが、現在はWIPOの管理下にある。

ベルヌ条約の基本原則は、1内国民待遇(ベルヌ条約第5条第1項)と2無方式主義(同第5条第2項)である。保護期間は著作物に関し本国で定める期間を超えることはない(同第7条第8項)。無方式主義とは、著作者の権利の享有に登録、納入、著作権留保表示のようないかなる表示も方式も必要でないという原則である。条約上同盟国に保護を義務付けられている著作物は、同盟国国民の著作物と同盟国で最初に発行された著作物である。

2.その他のベルヌ条約に関連する主な条約

1961年にローマで成立した「実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約、1971年にジュネーブで成立した「許諾を得ないレコードの複製からのレコード製作者の保護に関する条約」、1996年にジュネーブで成立した「WIPO著作権条約」、「WIPO実演・レコード条約」等がある。

3.万国著作権条約(Universal Copyright Convention、 UCCと略称)

1952年に万国著作権条約が制定された。この条約は無方式主義のベルヌ条約と、南北アメリカ諸国で締結されたパン・アメリカン法の基での方式主義とを橋渡しする条約である。方式主義とは、著作権を保護する条件として、登録、寄託、著作権表示等を求める制度である。

わが国は昭和31年(1956年)に加盟した。2001年における万国著作権条約への加盟国は98カ国である。なお両条約は一方のみの加盟はその条約が適用され、その国でも互恵関係にある国(カンボジア、サウジアラビア等)については著作物の相互保護がなされている。

 

第4話 日本国著作権法<赤字は著作者の注釈、原条文を参照のこと>

 

PDF版は「注釈法文」